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Why Blockchain

データ交換システムに活用、
それがインテージテクノスフィアの解

仮想通貨の基盤技術として注目されたブロックチェーンは、昨今、様々な分野において実証実験が活発化しています。「データ価値創造先進企業」を目指すインテージテクノスフィアは、ベトナムに本拠地を持つVNEXT HOLDINGS 社(日本法人:VNEXT JAPAN株式会社、開発担当は関連会社のSotaNext株式会社)と共同でブロックチェーンの仕組みを活用したマーケティング支援データ交換システム(プロトタイプ版)を構築しました。
データ交換システム(プロトタイプ版)の背景と意図、そして今後の展開についてご紹介します。

*以下敬称略

ブロックチェーンを利用したデータ交換システム
データの信頼性と、運用の効率性の向上を目指して

データ交換システムを構築するに至った背景

インテージグループのマーケティング支援サービスは、独自に収集した各種パネル調査やアドホック調査(カスタムリサーチ)から得られたデータをもとに、高度なリサーチ技術やデータ解析力などを用いて、消費財メーカーをはじめとする多種多様なお客さまのマーケティング活動をトータルサポートすることで、マーケティング・リサーチ業界を牽引しております。

インテージテクノスフィアは、先端テクノロジーを駆使し、インテージグループ、そしてその先のお客さまの課題を解決しています。絶えず進化するビジネスにおいて、時代に合う価値あるデータを提供し続けていくためには、最新のテクノロジーを用いたデータ活用の在り方の追求が不可欠です。そこで、以前から着目していたブロックチェーンを活用すれば、新たなデータ交換の基盤を構築できるのではないかと構想していました。
例えばデジタルマーケティングの領域では、セカンドパーティやサードパーティのデータを収集して、データ統合やデータの価値化などの取組みが活発に行われています。
昨今のデジタル変革(DX)の取組進展においては、IoTデータなどの多様なデータを掛け合わせたデータ活用が重要になっています。しかし、それぞれのサプライヤーからデータ収集を行う場合に、収集したデータの加工や管理などに一定のノウハウ、所謂データハンドリング技術やスキルが必要になります。更に自社のデータを外部へ共有するような場合はより一層データハンドリングに求められる技術のハードルが高くなります。データベースやAPIなどの中央集権的な技術を利用してシステム構築をすることは当然可能ですが、運用コストや信頼性の担保といった部分で課題が残ります。何より、規模が大きくなればなるほどデータのシェアは難しくなっていきます。

Fig.1 データ共有の課題
Fig2. 中央集権的な技術を使ってのデータ共有の例(代表プレーヤーにデータを集中)
Fig.3 中央集権的な技術を使ってのデータ共有の例(中立機関にデータを集中)

そこで注目したのが、ブロックチェーンでした。分散型台帳技術であるブロックチェーンは中央集権的な管理者が不要です。データ交換システムをブロックチェーンで構築すると、データは各社で保有しているサーバーに共有されていきますので、集計、分析、データ統合などのデータ利用が容易になります。更に、「スマートコントラクト技術」によりプログラムをブロックチェーン上に置くことができます。これにより、データだけではなくデータ処理プログラムも共有することができますので、データの流れを、透明性の高いまま運用することができます。またブロックチェーンのシステム上では、途中で改ざんされるリスクは低いため、データ交換システムを利用する企業はサプライヤーから提供される信頼性の高いデータを安心して活用することができます。

Fig.4 ブロックチェーンを利用したデータ共有

アジャイル開発でベストな形を模索しつつ、
現実的なユースケースに応じたシステムを実現

データ交換システムの開発スタイル

今回のプロジェクトでは、仕様は開発を進めながら固めていきました。ブロックチェーン基盤と周辺アプリケーションの開発全般をVNEXT HOLDINGS側が担当。ブロックチェーン技術の可能性は多岐に渡りますが、そうした技術をいかにビジネスニーズにマッチさせていくかが難点と言えます。データ交換システムにおいては、データのパブリックな部分とプライバシーに関わる部分をそれぞれ分ける必要があるので、データ共有の仕方をどう設計するかが一番難しく、両社で共に確認し合いながら、その都度、ベストな形を模索しながら進めていきました。
インテージテクノスフィアでは多くのアジャイル開発に取り組んでいます。今回のデータ交換システムについてもアジャイルスタイルで開発を行い、それぞれの機能ごとにチェックし、仕様に問題がないか検証しながら進めていきました。結果として、より現実的なユースケースに応じた実装を最短で行うことができました。

Fig.5 データ交換システムの概略図
サンプルアプリケーション:商品購買データのデータ共有を行う
ブロックチェーン上でデータは暗号化されており、必要な企業間でのみ安全にデータ共有ができる

業界知識とデータハンドリング力のインテージテクノスフィアと
ブロックチェーンにおいて優れた基盤構築力を有するVNEXT HOLDINGSによる共同開発

VNEXT HOLDINGSとの共同開発に至った経緯

現在ブロックチェーンの採用事例は、エンタープライズ領域で見かけるようになり、黎明期を経て創成期の段階に移ったと言われています。特にDXを推進する技術として、ブロックチェーンは大きく注目されています。

一方で、ブロックチェーン分野は多くの基盤技術や要素技術が乱立しており、最新技術も常にアップデートされている状況を踏まえると、ビジネス目的に合致する技術に特化した強みを持つパートナーとタッグを組むことが必要だと考えました。
そこでVNEXT HOLDINGSのエンタープライズブロックチェーン分野の技術力に注目し、ブロックチェーンの先端技術に関するノウハウや豊富な実績のあるVNEXT HOLDINGSと共同開発する運びとなりました。

VNEXT HOLDINGSの概要とブロックチェーン技術における強み

ベトナムに拠点を置くVNEXT HOLDINGSは2008年からオフショア開発をスタートさせたIT企業です。日本市場を主なターゲットにWEBシステム、アプリケーション、AI、ブロックチェーンなど幅広い分野のコンサルティングから開発・保守に至るまで、ワンストップサービスを提供しています。
ベトナムにおけるインダストリー4.0企業(IT分野)トップ10に2018年、2019年と2年連続で選ばれ、関連会社を含めてVNEXT HOLDINGS全体の技術力は高く評価されています。

VNEXT HOLDINGS社は5年ほど前から本格的にブロックチェーンを手掛け始めました。ブロックチェーンそのものが新しい技術のため、5年に渡って取り組んでいるVNEXT HOLDINGSはもはや老舗の部類と言えるでしょう。現在は、ブロックチェーンのコンサルティングおよび開発は、関連会社であるSotaNextが担当しています。すでに仮想通貨取引所を10件以上開発した実績があり、ブロックチェーンにおいてベトナムではトップクラスの技術とノウハウを保有しています。

ベトナムの優れたIT人財

ベトナムには数学の得意な人が多いこともあり、IT技術分野における人財が豊富です。ただ、ブロックチェーンやAIに関する新しい分野ではまだ戦力となる技術者の数は限られています。そこでVNEXT HOLDINGSではまずは、優れた技術を持つ人財の獲得に注力しています。彼/彼女等にブロックチェーンやAIの基礎を学習させ、優秀な技術者へのキャリアプランを示しつつ育成しています。また、日本企業とプロジェクトを円滑に進めるうえで、積極的なコミュニケーションが欠かせないと考えており、日本語教育のプログラムも充実しています。
VNEXT HOLDINGSのブリッジSEやコミュニケーターは、日本企業とのコミュニケーションが非常にスムーズで、すべてのフェーズにおいて相互理解ができています。

VNEXT HOLDINGS 株式会社

URL:https://vnext.co.jp[別ウィンドウ]

データ交換システムプロトタイプの完成から
本格的なプロジェクトへの適用や、活用分野の拡大へ

今後の展開

今回のデータ交換システムは、検証期間を経て本格的なプロジェクトを企画していくフェーズに移ってまいります。そして今後は、ブロックチェーンとインテージテクノスフィアならではの強みを融合して、アフターデジタル推進の一翼を担う様なビジネス企画も検討して行きたいと考えています。

世界のビジネスの流れを俯瞰してみると、多くの分野がブロックチェーンの活用に期待を寄せています。最近ではサプライチェーンの管理への活用が注目されています。物流を含め、一連の流れをデジタルで管理する場合にブロックチェーンは有効でしょう。医療分野では、あちこちに散らばっている患者データの一元管理がブロックチェーンで実現できます。病院にとっても患者様にとっても利便性は大きく向上するのではないでしょうか。
ほか、活用例としては、音楽や動画、ゲームなどのデジタルコンテンツ配信もそのひとつです。ブロックチェーンを使えば、音楽や動画配信の著作権をうまくコントロールができるため、注目度は大きく高まっています。

インテージテクノスフィアは、本格的なプロジェクトへの適用や活用分野の拡大を介して、より良い、より社会に貢献するシステムを提供して参ります。